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2008/04/30

JooDee

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まさにジャパンビンテージ。「JooDee」のエレクトリックカスタムストラトキャスター。コンデンサーや線材のチェック用に改造できる安いギターを捜していたが、たまたま入った渋い中古楽器店の奥に立てかけられていた。このジョーディーというメーカーは昔、ミュージックライフの広告を見ただけでいまごろ現物にお目にかかれるなんて。

1970年代日本では本家ギブソン・フェンダーのコピー商品を作るメーカーが乱立した。当時、グレコやフェルナンデス、ヤマハなどのビックメーカー以外は中小零細企業がほとんどで、実際ブランドだけで製造元は一緒だとか販売店、問屋のオリジナルブランド。価格帯別にブランド名を変えたりで混沌とした状況に。このジョーディーもその時代のブランドの一つ。1975年、大阪で楽器卸販売業の「ダイオン」が製造会社「ダイナ楽器」に製造依頼をし誕生したのがこの「JooDee」。高品質の中価格帯を目指したが75年~78年の短命に終わったブランドである。製造元のダイナ楽器は現在フェンダージャパンの一部製造をしている大工場。今でこそ世界屈指の楽器製造大国になった日本だが70年代は「ファウンダー」「ギボン」「ギャンソン」等ギリギリな感じのブランド名で堂々と勝負していたのも凄い。これは今の中国に何故か似ている。しかし、70年代初期のデタッチャブルレスポールだって調整すると当時のギブソン以上だ。

当初、「フォトジェニック」や「レジェンド」のストラトタイプを探していたがそれよりも安く、中古のBOSSの歪系エフェクターぐらいの価格。手にとってみると弾かなくてもわかるいい感じ。アッシュ風のセン単板センター2ピースで軽い。70年代の国産にありがちな縞模様の合板ではない。アンプで試奏させてもらうが70年代フェンダーの音だ。トレブリーでパワーがある。独特な噛付くリアの音。いびつにカットされたピックガードだったが即購入。店主の「ケースもいかが?」の声も振切り裸のギターを車の後部座席に放り投げた。

よーく見るとフェンダーのようで違うこの時代のスタイル。今ほど細かな情報がない時代、工場での職人の「こんな感じだろうか?」というのが聞えてきそうだ。一回り小さいジョイントプレートは70年代中盤までの国産ギターのほとんどがこれを使っている。たぶんどこかのモノを流用したのだろう。驚くのがブリッジ。これも一回り小さいダイキャストプレート。インナーシャブロックではなくプレートをコの字に曲げたもの。中でハープのように弦がタテに6本丸見え。ピックガードをノーマルな3ピースに取り替えたらブリッジの隙間が極端になった。これでも問題が全くないリアルストラトトーン。カラハムブリッジが泣けてくる。

PUは底板にマグネットが横に貼り付けてあり極端に細い線材。サーキットはポット全て500kを使用してトレブリーさを出している。これもノーマル250kに変更。スイッチもフェンダー純正オークの5WAYに。サーキットキャビティの深さが8mmぐらい浅い為、ピックガードが閉まらないのでセレクター部分を少し削った。ワイヤリングもし直しコンデンサーはダプラー200V 0.068。0.1だとコモリ過ぎるし0.047あたりだとコモリ足りない。0.068だとバランスがよく、カットするとローミッドのブースト感がありブルースに最適。これはメーカーや固体によっても違うからほんと大変。アウトプットジャックがこれまた見たことない小さいタイプ。スイッチクラフトにするとこれも穴が一回り小さい為、シールドジャックが刺さらない。曲げたり削ったりでなんとか装着。

問題がネック。許容範囲をちょっと超えた順ゾリでトラスロットを回転しても直らない。マズイと思ったがナットにグリスをつけて限界ギリギリまで回す。トラスロットの仕込みが悪く、効いてきたのが最終段階に近づいてきたあたりで急にまっすぐになった。弦をはってもあまり動かない。30年以上たってビンテージのように落ち着いている感じ。ネックポケットの深さが通常フェンダーのように17mmではなく19mmもありシムを入れる箇所がより1mm深く削られている。その為、サドルを目いっぱい下げても弦高が2mm以上ある。はがき厚のシムを4枚張り合わせてやるとちょうどいい感じだ。シムを嫌う人が多いが音には影響ない。弦を張ったときのアレだけのテンションでも動かないのだから、シムで多少の隙間ができても拘る必要ない。ディープジョイントとかいうのならスルーネックが断然いいのだろう。精度ばかり追求するとスケールの小さなタイトなトーンのギターになってしまう。問題は適正なサドルにかかるテンションや弦高を維持できるか、それに答えるネックの強度があるか。ボディはあくまでもトーンファクターで軽量で倍音を多量に放出すれば最高である。鳴らない重いワンピースボディより鳴る軽い複数ピースの方が音はいい。特にフェンダースタイル系はその傾向が強い。

ペグもオリジナルらしき物。ペグブッシュが丸く大きくビザール。時代的に当然ラージヘッド、2ストリングガイド。フレットはスモールフレットをすり合わせてるためフレットレスワンダー状態。しかし、チューキングも問題ないし、本来低いフレットの方が音は太い。

オークションなどで見かけるジョーディーのギターはヘッドにアーティストカスタムと入っておりネックジョイントも3ボルトになって、ブリッジの大きさもフェンダーサイズに変更になっていることからこのエレクトリックカスタムは75年あたりの「JooDee」の初期物と推測される。

この時代の日本のエレクトリックギターメーカーは技術革新を繰り返し、駄目になっていった本家USAメーカーの工場ラインを立て直すまでに至ったのには驚く。70年代の日本のガレージメーカーなくしてフェンダーのカスタムショップは存在しなかったかも。そういえば80年代に入りCBSからどん底フェンダーを買い取って復活させた故フェンダー社前会長ビル・シュルツ氏はヤマハUSAの人でしたしね。

まだコレクションもお手軽なガレージジャパンビンテージ。こういうギターと出会うとまた深みにハマる。また別に改造用のギターを探さなくては。

2008/04/21

ストラトキャスター完成

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2年越しで製作していたストラトキャスターがついに完成。正規な工程でちゃんと作った初めてのギター。なんたって時間がかかったのが塗装。これにはかなりヤラれた。何度も失敗して塗って削って磨いてを何十回やっただろう。参考にしていたギターDIYサイトの師匠曰く、「ギター作りは研磨が勝負」とのこと。やっとのことで塗り終え磨きも終了したら全体にひび割れが!オールドギターをイメージし過ぎて薄く塗りすぎたのと、冬のガレージで塗装して、乾燥を部屋でしたときの温度変化がクラッキングを誘発したようだ。どちらにしてもソフトレリック風な仕上がりで良しとする。最終のクリアを吹いた後、塗装の極わずかな凹凸を残したままコンパウンドで研磨してビンテージな風合いを出してみた。概要は以下のような感じ。

カラー : オリンピックホワイト

ボディ : アイチ木材加工(株)製 アルダー2ピース(未加工時1.57kg)

ネック : 1988PGM製 バーズアイメイプルオンエボニー

ピックアップ : フェンダーカスタム69ピックアップ

ポット : CTS 250K Aカーブ×3

スイッチ : スイッチクラフト5WAY

ジャック : スイッチクラフトMIL SPEC

ケーブル : ウエスタンエレクトリック1950s 22AWG  LENZ 1940s 20AWG

コンデンサー : コーネルダプラー PMグリーン 0.056uF 400 V

トレモロブリッジ : カラハム

重量 : 3.3kg

60年代初期のフェンダーをイメージしてやってみたがネックのインレイが小さいのと、ストリングガイドが少し上の位置なのがご愛嬌。サウンドはピックアップのキャラクターが大きく予想通りジミの感じになった。それにしてもこのPU癖になりそう。

今回、アッセンブリーの配線にはチョッとだけ拘ってみようかなと思い色々とトライ。ノイズ対策で一般的なキャビティーに電導塗料を塗るのを避けた。オールドフェンダーに塗っているのを見たことないし、これによって高域成分がカットされるのを回避する。よくノイズを気にする方がいらっしゃるが言ってしまえばノイズもトーンであり倍音にリンクしてくる。配線不良によるノイズ以外は大歓迎。ジェフベックもアースノイズはギンギン出ていたし。しかし今回、ピックアップからの2本のケーブルはツイスト加工(ねじり)を施し若干ノイズ対策。キャビティー内のウエスタンケーブルも2本をツイストし質量アップして太さを強調。伝導性を高める為、太いケーブルを使うより音の良い細めの単線を複数ねじったほうが良いような気がする。微量な電流しか使わないサーキット内だからこそパーツの変更が大きい。ハンダのりもよさそうだ。

ハンダは線材と同じブランド、同じ年代のNassauを使用。これがまた短時間でとろけるためパーツに対しての熱のダメージを最小にする。体に悪そうだが匂いもまた良い。

今回シールドアウトプットジャックにスイッチクラフトの軍用規格、ミルスペックジャックを取り付けた。プロ使用の耐久性。価格も通常品の3倍近い。しかし、今のアメリカ軍がこんなフォノジャックを使っているかが疑問だ。せめてベトナム戦争時の無線機のヘッドホンジャックくらいまでだろう。でも軍用とかNASAとかいわれるとこの辺好きな人達は簡単に騙されてしまう習性がある。

コンデンサーは最初にスプラグ社ブラックビューティーを取付けた。これも最近は価格高騰で手に入りにくい。表示はビンテージと同じ0.1だが40年以上経っている為、0.75まで容量抜けになっていた。でも何か違う。リッチ過ぎるというか綺麗にトーンが落ちすぎる。ギブソンのL-5あたりのフルアコには抜群だと思うがストラトには上品過ぎる。早速付替え。コーネルダプラーのPMグリーンの0.56uFだといい感じ。もう少しミッドブーストっぽいコモり具合が理想だがこれに決定する。以前、知人の60年ストラトに付いていたブラックキャット0.1 600Vが物凄く良かった。トーンを絞ると湧上がってローミッドがブーストしてくる感じ。ギターも違うがストラトでトーンを絞りたくなるくらいの珍しいギターだった。この辺の電気的な部分は専門家から言わせると意味が無い!なんていわれることもある。しかし、相手はエレキギターである。理論上意味が無くてもトーンに対しての影響はかなりのものだ。ギタリストが拘る立上がりのスピードやコードの透明感、歪のニュアンスなど数字では表せられない。その辺全てに係ってくるのがこの電装部分である。ほんとに深い世界。

ネックがエボニーの80年代的ダークな鳴りと軽量アルダーボディとカラハムブリッジ、トレブリーなPUでバランスは何とか取れた感じ。ブリッジフローティングは1mm。シムを使わずネックジョイントを限りなくボディとフラットにしてみた結果、ブリッジサドルからアジャストスクリューが出っ張ってしまったのでスクリューを6,9mmと7.9mmに交換。弦高は612F1.1mmまで落とせたがテンションは問題無い。

ピックアップの出力が全て同じなので高さで調整するだけでバランスはとれる。クリーントーンでのトレブルも意外と耳につくギリギリ下のラインで心地がいい。クランチ時のコードの爆発感が見事でアビゲイル・イバラ女史の技を堪能できる。

狙い通り派手に鳴るストラトキャスターになりました。リアPUのグラッシーな感じは70年代初期のハードロック!リア、センターのハーフトーンはまさに「スィートホームアラバマ」。

ギターDIYってやめられません!皆さんご一緒にいかがですか?

2008/04/17

ハモンドメンテナンス

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K氏所有のハモンドオルガンL-112の真空管を全部交換した。元々の真空管には「HAMMOND」と印字しているので一度も取り替えてはいない可能性がある。このオルガン35年目にして初めてのお色直し。真空管の凄いところはパーツが劣化しても音が出なくなることはない。ゆっくりと変化していく為、たまに弾いても違いがわからない。その緩いところがまたいい。

リバーブやトレモロ、パーカッションなどのエフェクト部全てに真空管が絡む。全部で11本の交換だが一瞬で終わってしまった。真空管の中ではアメリカの軍用管で日本で1本しか在庫がないものもあり調達も大変である。でもやっぱり音がいい。何か倍音が増えて音量が上がったような気がする。トレモロ、リバーブは素晴らしい。パーカッションも派手になっている。このアタック感はデジタルで加工したクリックとは比べ物にならない。

よく見るとこのオルガンは日本ハモンドの正規輸入品なのに118Vになっている。スライダックで118Vに電源を上げてやると何とビックリ。ふくよかにローエンドがついてきてもっと太くなった。トーンが安定するまで2時間ぐらいの暖機運転が必要でスタジオでJAMが終わる頃にいい感じになっていくというのも味がある。ほとんどチョーク式の旧車と同じ感じ。あの無数にあるケーブルを流れて電流が真空管に染渡っていく。楽器の健康状態が目で見てわかるのも大変楽しい。

ハモンドというとレスリースピーカーがセットである。いつかはオプションで取り付けてあるレスリーアウトであの羽を回転させたいと型にこだわるK氏が申しておりました。エフェクトチェンジの左手も熱い!